雨と大福
朝起きると、雨が少し降っていた。
傘を差さなくても大丈夫だけど、外出をためらうぐらいの空模様だった。
買い出しに行く必要はなかったのだけど、ふと甘いものを食べたいと思った。家の中を探すと、ビスケットと、チョコレートと、ホットケーキミックスを見つけた。
その3つを目の前にして思ったのは、「大福が食べたい」だった。何でこんな日に限って、こんな欲望が芽生えてしまったのか。
どうしよう、大福食べたいけど、面倒くさい。雨少し降ってるし。でも大福……。なんて考えてだらだらしていたら、雨が上がっていたので近所のスーパーに大福を買いに行った。
思えば、自ら大福を買って食べるというのは初めてだ。味覚が変わったのか、気候のせいなのか、原因は定かではないが、私にとって大福は新鮮な刺激だった。
一口齧る。甘い。甘くてもちもちしている。正直、これ以上言う事がない。これが大福の基本であり、全てであると感じた。
有名店の大福とかなら、もっと別の事を感じるのかもしれないけれど、スーパーの大福となるとこのふたつに限る。甘くてもちもち。
そんな甘くてもちもちの大福が5つ入っていたが、手も口も止まる事なく5つ平らげてしまった。いやあ、美味しかった。甘くてもちもちなだけで十分なのだ。甘くてもちもちなもの最高。
そんなわけで、今日は一日大福に心を弄ばれました。そして心を射止められました。ラブコメの第一話みたいな一日ですね。ウフフ。